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【サイバーセキュリティニュースまとめ|主要5件】2025年9月1日

本記事では、JPCERT/CC、フィッシング対策協議会、SecurityNext、ScanNetSecurity、マイナビニュース、CISA、FBI、HelpNetSecurity、BleepingComputer などの一次情報・信頼できる報道をもとに、最新のサイバー関連ニュースを厳選してお届けします。要約に加え、解説とリスクへの示唆、さらに実務に直結する「鹿メモ」を添えて整理しています。

1. TamperedChef インフォスティーラー、偽PDFツール経由で拡散

要約:Google広告で配布される偽PDFエディタに、情報窃取マルウェアが組み込まれていた。複数ドメインに展開済み。

解説:ユーザが正規アプリと誤認するため、認証情報やブラウザCookieが窃取される高度なソーシャルエンジニアセット型の攻撃。

示唆:広告経由でのインストール禁止、サンドボックス・VDIでの初期評価、URLブロック/事前警告の導入を。

鹿メモ
鹿メモ
ユーザーは正規アプリと誤認しやすくプロキシ感染しやすい「広告ダウンロード型マルウェア」。広告経由の配布を想定したDRM禁止、VDI上でのインストール評価、URL/広告リンクのフィルタリング導入は“最初の防衛線”になります。追ってサンドボックス内で差分検出を習慣化し、被害拡大前にフォレンジック対応するフローを最低構築すべきです。

出典: BleepingComputer

2. GitのRCE(CVE-2025-48384)がKEV入り

要約:Gitのリンクフォロー処理脆弱性が悪用確認され、CISAがKEVカタログに追加。

解説:CI/CD環境でのリモートコード実行は成果物そのものの改ざんにつながるサプライチェーンの核心的リスク。

示唆:Gitクライアント/サーバの更新、フック・サブモジュールの制限、CI/CDトークンと権限の最小化とローテを。

鹿メモ
鹿メモ
開発環境は認証情報と成果物が集中し、Git侵害では“成果物の正当性”が即疑われるレベル。Git更新と並行してフック制御・サブモジュール承認・CI/CDトークン/権限の分割と期限付き化を。リポジトリの署名や成果物の検証手順も組み込み、信頼性保証プロセスを強化しましょう。

出典: CISA

3. CISA他、APTによるルータ改ざん後の長期潜伏手法をCSAで公開

要約:CISA・NSA・FBIなどが、中国系APTがルータに侵入し、設定改ざんで長期潜伏する手法をCSAで公表。

解説:MPLSやキャリア回線経由でルータを信頼経路として利用され、境界防御が無効化される可能性あり。

示唆:CE/PEルータの設定差分監視、非標準ポートやSSH改変の検知、トンネリング(GRE/RSPAN)検出を導入。

鹿メモ
鹿メモ
APT攻撃はルータ設定改変による信頼回避が狙い。先に設定変更された後は復旧が極めて困難。まずCE/PEの差分監視を徹底し、「20」「50」「10」といったACL名や、SSH/HTTPの高ポート追加などの設定変更を早期に検知できる仕組みを入れてください。キャリア機器も含む幅広い監査が必要です。

出典: CISA

4. CISAがICS関連9件のOT機器アドバイザリを更新

要約:CISAがGEや三菱など産業制御(OT/ICS)機器に関する脆弱性情報を9件まとめて更新。

解説:OTは停止しづらい背景から更新が遅れ、既知脆弱性が長期間残るリスクが高い。

示唆:資産台帳に機器詳細(型番・ファーム)を記録し、自社で更新可視化できる体制を整備する。

鹿メモ
鹿メモ
OTは「止められない」事情から更新が蔑ろになりがち更新可否を自社で可視化するシステムの構築が急務です。加えてIT/OT境界にMFA・ログ監視を設置し、侵害の早期検知と局所化を目指してください。

出典: CISA ICS Advisories

5. Windows 8月更新不具合 → OOB更新による修正案内

要約:Windowsの8月更新によりリカバリ・NDI配信に不具合が発生。Microsoftが臨時修正(OOB)を提供。

解説:復旧不能のリスクはDRや配信業務に直結し、業務停止の重大インパクトを持ちます。

示唆:更新前に必ず復旧テスト、段階展開と影響部署への瞬時周知体制構築を。

鹿メモ
鹿メモ
パッチは“セキュリティ”だけでなく、DR可用性にも直結します。今回のように復旧失敗リスクが明確化したため、段階的適用→検証端末で復旧試験→全社展開の運用を定着させ、OOB更新の即時適用体制を予め構築してください。

出典: Microsoft Release Health

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