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【サイバーセキュリティニュースまとめ|主要5件】2025年8月30日

本記事では、JPCERT/CC、フィッシング対策協議会、SecurityNext、ScanNetSecurity、マイナビニュース、CISA、FBI、HelpNetSecurity、BleepingComputer などの一次情報・信頼できる報道をもとに、最新のサイバー関連ニュースを厳選してお届けします。要約に加え、解説とリスクへの示唆、さらに実務に直結する「鹿メモ」を添えて整理しています。

1. Citrix NetScaler RCE(CVE-2025-7775)—ゼロデイ悪用中

要約:NetScaler ADC/Gateway のクリティカルRCEが悪用確認。多数の露出が指摘。

解説:Gateway/AAA構成(特にIPv6絡み)で境界突破→横展開の起点になりやすい。

示唆:対処版へ即更新し、更新後は既存セッション無効化・ヘルスチェック・WAF/ACL見直しを。

鹿メモ
鹿メモ
境界装置RCEは業務・ADまで波及する高インパクト。まず 管理UI外部閉塞/ACL強化/WAF適用 で被弾面を縮小し、つづいて 対処版更新→旧セッション無効化→30日遡及ログ確認。完了条件は「恒久パッチ+検証」 と定義し、Change管理で確実にクローズ。

出典: BleepingComputerCitrix Security Bulletin

2. FreePBX 認証バイパス(CVE-2025-57819)—CISA KEV登録

要約:FreePBX 15/16/17 で認証回避→DB改ざん→RCE。パッチ提供済み。

解説:PBX侵害は通話制御・録音・転送の乗っ取りや盗聴リスクに直結。

示唆:外部公開の遮断/管理元IP限定、推奨版へ更新、認証情報総入替、通話記録・課金の異常監視。

鹿メモ
鹿メモ
PBXは資産管理からの漏れがち。今回の欠陥は未認証で管理UI到達→設定改変→RCEの連鎖を許す。まず 外部公開遮断/管理元IP固定、推奨版へ更新、APIキー含む認証情報の総ローテーション。加えて通話記録や課金の突発的変動を確認。管理対象リストにPBXを明記し、定期棚卸しを。

出典: CISA KEVNVDCanadian Centre for Cyber Security

3. Storm-0501—クラウド破壊型ランサムへ戦術転換

要約:暗号化主体から、クラウドの削除・改変+窃取で復旧線を断つ戦術へ。

解説:Entra/Key Vault/ストレージ操作の悪用。Teamsでの恐喝事例も。

示唆:MFA/JIT、WORM/バージョニング既定化、ログ保全延長・異常削除検知、四半期の復旧演習。

鹿メモ
鹿メモ
核心は 「暗号化せずにクラウド資産を消し切る」 こと。MFA未適用の同期アカウントや過剰権限のジョブが狙われやすい。JIT・条件付きアクセス・WORM/オブジェクトロックを既定化し、復旧演習で復元SLAと手順を実証。ログ保全は180日以上を目安に。

出典: Microsoft Security BlogTechRadar

4. Salesforce/Salesloft Drift OAuthトークン盗用

要約:第三者アプリ経由のOAuthトークン悪用で、複数のSalesforce組織から大量データが窃取。

解説:本体侵入ではなく“許可済み連携”の悪用。SOQL大量実行・ジョブ削除で痕跡希薄化。

示唆:Connected Apps棚卸し、スコープ最小化、未使用トークン一括失効、Secretsローテ、SOQL異常検知。

鹿メモ
鹿メモ
OAuthは承認=社内同等権限になりがちで横展開が速い。まず連携アプリの棚卸しと基準化、不要トークンの一括失効とスコープ再設定、APIキー・パスワードの強制ローテ。以降は新規連携=管理者承認+定期監査を標準フロー化。

出典: Google Threat IntelligenceThe Hacker News

5. フィッシング:GMOあおぞら銀行かたり(継続稼働)

要約:件名・文面を変化させる偽メールで偽サイトへ誘導。協議会が稼働確認を掲載。

解説:リンク踏ませ→偽ログイン→MFA迂回の流れ。国内ブランド攻撃の代表例。

示唆:顧客周知テンプレ即配信、アプリ/公式サイトのみのログイン徹底、BIMI/DMARC強化、類似ドメイン監視・FAQ更新。

鹿メモ
鹿メモ
文面・差出人・URLの多様化で検知をすり抜ける。アプリ内バナー/メール固定注意書き/IVRを併用し同一メッセージを複数導線で周知。技術面はDMARC/ARC/ブランド監視で補完。CS・広報と即時連携できる体制を常設。

出典: フィッシング対策協議会INTERNET Watch

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